ワンピース

スリラーパーク編の途中まで読んだ。サイファーポール編あたりからさらにこの作家の技術の向上を感じる。自分のスタイルがやっと確立した感じ。回りくどいのも、台詞が多めなのも相変わらずだがごちゃごちゃバトルをある程度勢いを持って読ませるバランスが取れてきた感じ。サイファーポール編は能力のインフレが露骨になってきて、別に特訓も何もなく勢いだけで超能力者を倒していくのがちょっと疑問を感じつつも、こういうものか、とも思う。
序盤のだるさはほとんど感じなくなったので、このまま勢いを持って読めそう。正直良く20巻以内で打ち切りにならなかったなぁと思ったり。

62巻ぐらいまで読んだ。監獄編とかはキャラごっちゃごちゃで相変わらずだけど、内容の盛り上がりもあり結構勢いで読める。バトルインフレの処理に手を焼いてる気もする。あんまり能力を複雑な物にするとジョジョとかハンターとかとかぶってしまい、この2作品とかに比べるとあまりに処理が雑なのでやめたほうがいい気がするな。
ああ、ココまで書いてやっとわかった。ワンピースってすっげーアメコミ的なんだ。動きの少なく書き込みの多い絵、やたら多い台詞、単発能力の押し付け合いバトル、各会社の総合バトル的なキャラクターの多さ、絵的に奇抜なキャラクター達。
それでも監獄編〜2年後あたりまではそこそこ日本式少年漫画のテイストも持ってた感じだったんだがなぁ･･･。
なんだこの人魚編は？一気に２０巻代に戻ってしまった感じ。今まで散々盛り上げ、各キャラパワーアップしてるはずなのにそういうものの見せ場は超控えめで、延々と非常に見難い魚人達のやり取りが続く。しかも小ゴマ＋超台詞量＋ごちゃ絵で強烈な読みにくさ。
上がってしまったテンションのやり場に非常に困ってしまう。なんか賢者モードのようなｗ

正直アニメとかの方がこの作品は向いてると思うな。ややこしい展開が一回整理されるだろうし、あの台詞量も各キャラごとに声が当てられ聞くだけで良くなり、絵も動き色が付いていれば相当の視認性の高さになることだろう。
また連載をずーっと読んでる人も長い時間をかけて認識してきた世界観だからじっくり読み込みが出来ていてまだ付いていけそうだ。
今から原作を一気読みするのは非常に困難と言わざるを得ないだろう。正直何が面白いのかが非常に難しい漫画だと思う。何でこの漫画そんなに人気があるのか、少なくても俺には理解できない。この先の展開も正直どうでもいい。彼の作り出す世界感に面白みを感じないし、キャラクターに魅力も感じない。展開も回りくどいばかりで読みにくい。能力バトルとしてもすでにただのインフレ。覇気とか完全に「念」の簡易版になっちゃったし。

そこそこ面白くは読んだけど、もっと面白い、読みやすくて奥が深い漫画はいくらでもあると思うぞ。ブームに乗って少年漫画を読むのは悪くないと思うが、他なのも読もうやって思う。最近の同系列のバトルものなら、よほど「トリコ」の方がシンプルで読みやすく面白いと思う。トリコも相当絵に癖があるタイプだけど、尾田栄一郎の絵も相当あくが強いしね。

正直もう読み直したいとは思わないなぁ･･･。どこが記憶に残ってると言われてもあんまり･･･。CP9編が頂点かな。好きなキャラはやっぱりニコ・ロビンとボン・クレーで。ロビンは化け物ばかりの世界の中であの一歩引いたクールで冷静なつっこみ、能力の強さ（強すぎて自粛してる感じすらする）が良い。ボンクレーはとてつもなく変な外見の癖にすごく男気溢れ、義理堅く、破滅の美学的なものを持ってるところがすごく惹かれるかな。そこそこ強いし。

ああ、そういえば主人公の子供時代編は読まなかったな。触り読んで全く面白く思えなかったので。
やっぱりこの漫画の最大の弱点は漫画テクニックの低さだと思う。正直コマワリから勉強しなおしたらどうだ？と思うよ。漫画は絵コンテじゃないんだから･･･。もっと大ゴマつかったり（どこかのシーンで見開きで新たなシーンを出したのに、良く見たら左ページの半分に普通のコマがあったりしてありえないと思いびっくりした。）、変則ゴマ使ったり（基本的に四角ゴマばかりだよね）、絵の整理とかやることはいっぱいあると思う。台詞の整理も必要だと思うし、吹き出しと絵のマッチングも全くなし。絵は下手じゃないのに漫画技術が皆無に等しい･･･。ていうか劣化してきてる。

ONE PIECE 63 (ジャンプコミックス)

ふとアマゾンのレビューを見てて初期はもっとわかりやすかった的な意見が散見されたが、個人的には「そうか？」と思う。最新刊のわかりにくさはこの作者もともとの持ち味だと思うんだがな。最初っから読みにくさ爆発、展開ワンパターンで今に始まったことじゃないと思うがｗ
あと名言が〜的な評価もよく聞くが、これだけ台詞の多い漫画でよく名言なんてものをピックアップできるな、と思う。夢と仲間を語れば明言か？