青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

かくかくしかじか

東村アキコ氏の自伝漫画。最近では海月姫とかやってた人です。
自分の漫画人生を、恩師を軸に語っていく自叙伝漫画。第一話から容易に結末は予想できる。ああこの恩師に対する未練と後悔とを語っていくんだなと。そしてその恩師はもう鬼籍なんだな、と。一話読むだけで頭の中に勝手にそんな結末が予想されちょっと涙腺が緩む感じです。で、よし泣くぞ!と息巻いて読んだのですが…。
結局最後までうるっとくるレベルで号泣のラストには至りませんでした。本人もうっすら語ってはいますが、結局この作者恩師との思い出はあるけど、そのことについて別に心底後悔なんかしてないと思うんですよね。どっちかって言うと、あなたのやってた事は今になってわかるよ。漫画の肥やしになっている。ありがとう!ぐらいのスタンスで感じる。結局恩師から逃げ続けたんですしね。その結果漫画で大成できてるんですし。恩師の話を軸にしていながら、語りたかったことは自分の漫画家成功人生、まんが道ですよ。その辺のギャップが有るから結局ラストのヤンキー男の言う最後の言葉当たりで、軽くうるっとくる程度で止まる。だって本人が感じている感情もその程度なんだから。
多分書き始めのころはもっと思い入れたっぷりで書くつもりだったんだろうけど、自己分析が進んだらこうなっちゃったんだろうなぁ。
逃げ続けた人生と言うけど、やることはしっかりやって、成功までしちゃってる人ですし。やりたいことだけやってきて成功できてるなんて成功者なんですよ、間違いなく。自分の行動に何の悔いもないよ。
正直自分も似たような感じなので気持ちわかるなぁ、なんて思う所も多い。だから感情移入もしちゃう。でも感情移入すればするほど、恩師への懺悔みたいなテーマが嘘に思えて少し白けてくる。
内容自体は面白く、とても興味深かった。ただやっぱりこの作品はいろんな意味で人を選びそうに思える。いろいろと鼻につく可能性がある表現が多い。

東村アキコ作品は初めて読んだ。この自叙伝読んで感じるのは「この人強すぎですよ」ってこと。漫画表現とかはさすがにうまく、読みやすい。他の作品も読んでみたいものだ。

あー、見事に否定派と意見が合致しちゃってるなぁwぼかーまぁ、否定までする気はない。そこそこ楽しく読めたし。