青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

プレステージ

クリストファーノーラン監督の長編ミステリー。二人のマジシャンの人生をかけた激しい争い、騙しあいを描く。あいかわらずのこの監督らしい、非常にパズルチックな謎をコラージュ的な演出で緻密に構成してある映画。各カット、シーケンス、セリフ、全てに意味がもたせてあるような内容。そういう監督自身のスタイルを良く表している、マジシャンという人々の世界。この世の全ては夢幻。そんな雰囲気をぷんぷん漂わせたミステリーの傑作ともいえる。
自分的にはどうにも主役クラスの人達の顔の見分けが出来なくて更に混乱。お話はわかるんだけど。その辺が既に煙にまかれているような印象。
二つの大きな謎を主軸にいくつもの不可解な現象を少しずつ時進められていく構成は非常に面白い。ただ自分的には終盤に入るところでのテスラの装置の説明でほぼ全体のからくりが理解できて、あとはそれを確認するだけの作業になってしまったのは残念。ラストでもう一発ぐらい、全体の構造をひっくり返すぐらいの大どんでん返しがあるかと期待はしたが、それはなかった。あくまで理性的なトリックで終了するあたりはこの監督の持ち味なんだろう。謎のまま終らせるようなじらしもなく、一本の映画内で全て手の内を明かしきるのも好感が持てる。まぁテスラの機械自体はあんまり知的ではなく唐突でファンタジーではあるが、オカルト、超常現象マニアならテスラにまつわるオカルティックな話がいろいろあることは承知なのでこのお話でも自然に受け止められた。
無駄なシーンも少なく、長い映画ながらグイグイ引っ張られ最後まで見せる。たぶんもう一度見たら、それぞれのカットに隠されている意味がもっとわかって面白いんだろうが、さすがにそこまで見る気力は今は無い。
ちなみに自分はこの監督の映画は結構見ている。バットマン以降のDC映画に大きくかかわっているし。インセプションも劇場で見てるし、メメントも見てる。結構好きな監督だ。

 

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