青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

O社の健忘録・3

それでも社長は俺を中心に将来的にもっとビジネスを広げたいと言う夢を語っていて、俺はぎりぎりのところで持ちこたえていたんだがそうこうしているときに社長は決定的悪手を打ってしまう。社長が20前後の若い貧乏な女の子を雇った。話を聞くとキャバクラで働いていた彼女を引き抜いたらしい。彼女と話をしたら彼女はすごくまじめでお金を貯めて勉強してちゃんと社会に出ようとしてたようだが、それを聞いた社長がうちで働きながら勉強しなさい、と引き抜いたと聞いた。で、俺に教育してやってくれとその子を飲み会のときに押し付けてきた。まぁ別に押し付けてくるのは悪い気はしなかった。若くてかわいくて何より仕事に真剣だった。それでいろいろ仕事のことを話して聞かせてたら途中でポロポロ泣き出す。その時はなんでなくのかは良くわからなかった。でも俺にすがり泣く彼女を励ますぐらいしか俺は出来なかった。
一月ぐらいたったか。その子は勉強しながら事務仕事をしていたはずなのだが、最近全然事務員として連絡が無い。月一の会社の飲み会でも見かけない。その時はあまり深く考えていなかった。ただ、俺が会社移転で揉めてた時に辞めた営業から話を聞かされた。
あの飲み会のときの彼女の態度が社長の逆鱗に触れたとのこと。彼女は社長の愛人としての裏の顔を持ち会社に雇われていたと言うことだったのだ。飲み会で俺に彼女を接待しろとあてがったのも社長の指示だったようだ。ただそこで誤算があったのは、彼女があまりに俺の話しに感銘を受けてしまい、現在の自分の状況が耐え難く俺にすがってしまったようなのだ。それが彼女の涙の真相だったわけだ。しかしその態度が社長には相当むかついたらしい。自分であてがっておいて俺にすがってしまった彼女が許せなかったらしい。彼女は会社を辞めさせられていたのだ。その後どうなったのかは知らない。俺は別に連絡先すら知らないし。ただ俺はその事実を知ってどうにもダメだった。もうこの社長とはやっていけない、と心底思った。弱者救済って言うのが俺の信条だし。俺には社長が心底腐っているようにしか見えなくなった。この問題がとS氏の問題でもう俺はこの会社に未練はゼロになった。