青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

キャリー

1976年、ブライアン・デ・パルマ監督。スティーヴン・キングの処女作の映画化。現代アニメやマンガで頻繁に見られる超能力を持った主人公が究極のピンチに陥ったときに能力が開眼し爆発する「イヤボーンの法則(Fromサルマン)」の走りの様な作品。
変質的な宗教家の母子家庭に育ち、虐待を受け育ち、学校でも虐めを受けている少女が初潮を迎えたときに起きた事件をきっかけに破滅の方向に進んでいくと言うストーリー。内容は今となってはすごくオーソドックスでわかりきった展開を執拗に積み上げ、キャリーの重い内容をどんどん積み上げ、目に見えてわかる破滅へと確実に展開し観客のストレスも最高に達した時点で、キャリーの爆発でカタルシスを覚える。非常にわかりやすく、非常に見ていて感情を動かされる。しかしながらストーリーはそこで結末を迎えずに更なる悲劇とショックを与え物語は終焉を迎える。その辺の展開も見事だ。
この監督の特徴らしいのだが、カメラワークがすごく独特だ。最近の映画ではまず見ることができないさまざまな映画手法が織り交ぜられていて今見るとそれが逆に新鮮に思えてくる。スクリーンプレイも無理が無く(無理をさせていない)ために派手さは無いが不自然さが無くいい。
さらにキャリーの演技とキャリーの母親の演技がすばらしい。二人の目にぐんぐん引き込まれる。特に終盤の異様な盛り上がりは目を離すことはできない。圧巻だ。
舞台が高校の女子の話となっているために、どこと無くロリな香りが全体に漂い、そういうフェティ感覚あふれる映像が多いのもその筋の人にはいいかもしれない。
DVDで特別版となってデジタルリマスタリーした画質がすばらしく最近の映画だと見違えるようになっている。値段も安くホラー入門者にはお勧めの一枚だ。

キャリー (特別編) [DVD]

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