青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

天空の城ラピュタ

BDでレンタル。画質は十分に大型テレビの鑑賞に堪えうるものになってて満足。ただね、BD版位になったらええ加減劇場公開オリジナルのビスタサイズの映像を入れてよ・・・。なんで最近の映画はソフト化の際にビスタサイズは省いちゃうのかがすごく納得いかない。今は十分に個人で大型テレビ鑑賞できるようになったんだからビスタサイズは入れようよ・・・。なんかソフト化する人たちの意図がサッパリわかんないよ。手抜いてるとしか思えん。べつに別バージョンでもいいからさ。そっち買うから。ディレクターズカットとか、別バージョン映画は作り手の意図で作られてるかそれでいいけど、ソフト化の際のサイズ変更は絶対作者の意図に反する改悪だと思うんだよな。


で、まぁラピュタ。実はかなり久しぶりに見た。序盤の展開とか忘れてたもんな。今見るとシータがすげーアンバランスなキャラに見えて。シータって自分の中ではもっと年齢の高い(15〜6歳ぐらいか)イメージを持ってたんだけど序盤のシータはどう見ても小学生ぐらいの描き方なんだよな。しかしながらすげー賢女。純粋無垢、賢い、甲斐甲斐しい、控えめとなんと言うか駿のロリータ趣味爆発のキャラクターだなぁーと強く感じてしまう。わざわざ作画的にめんどくさそうなワンピースを着せたがるあたりも変態的だ(絵的に派手なんだろうけど)。相変わらず主人公パズーも宮崎アニメらしい純粋真っ直ぐな欠陥のない主人公。それを取り巻く大人たちも基本的にすごくいい人ばかり。ムスカは明らかに小学生女子のみつあみ引っ張りまわして喜ぶ変態だが。そういういい人ワールドの中で息をつかせぬアクション、アドベンチャーの連続。一つ一つの見せ場がとてつもなく丁寧なアニメーションで仕上がっている。シーンシーンは「あ、これナウシカで見たような」「ルパンで見たような」「コナンで見たような」と言う今までの宮崎作品のいいところを寄せ集めた、初期宮崎アクションアドベンチャーの集大成ともいえる贅沢な仕上がり。それでいて脚本も見事。淀むことなくストーリーは進行し名台詞の嵐。自分的にはドーラの「40秒で支度しな!」って台詞がすげー好きです。あそこのドーラはカッコイイ。変態ムスカの「見ろ!人がゴミのようだ!」「目が!目がぁーーー!」も素敵ですね。
しかしながらラピュタ見て思うのはやはり宮崎駿って徹底的なアニメ職人なんだなぁ、と思う。この映画がやっぱりいいのはその徹底したアニメ的な表現にあると思う。最近の宮崎ものの様な徹底した書き込み描写もなければ、説教臭いテーマも老人の妄想もない。大きな画面を生き生きと所狭しと暴れまわるキャラクターたち。表情豊かで幸せなキャラクターたちのコメディーチックなアクション。静かなシーンでの綺麗さ。徹底的な破壊描写。これがアニメーション映画だろ!?と言う要素がこれでもかって程詰まっている。こんな作品をアニメの基本として植えつけられた観客がいる日本と言うのはクリエイターにとっては不幸かもしれないな。


調べてみたらジブリって会社での映画はこれが処女作なんだね。そりゃ気合も入るわ。ただ宮崎アクションアドベンチャー作品はこの映画で完全にやりたいことをやりつくしたのか、この後ファンタジーネイチャー志向に傾倒し始めるのがちょっと。まだその次期の魔女の宅急便とかは自分は好きな作品だけど、もののけ姫でさらにやりたいことをやりつくした宮崎駿は完全に抜け殻のアニメ職人になった感じでサッパリ面白くないなぁ。そういう意味ではラピュタは本来あるべき変態「宮崎駿」の最高傑作かもしれない。

天空の城ラピュタ [Blu-ray]

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どうでもいい事1:このBDのパッケージの白抜きの絵。最初ずーっとこのカニみたいなマークはナニ?と思っていた。真実に気づくのにすごく時間がかかった。
どうでもいい事2:この前ラピュタは地上に降りないと言う指摘を受けたが、地上に落ちたのはイースだったとこれまた指摘されて思い出した。両方イメージ似てるんだもん。


なんかアマゾンのレビューを見てると、やたら劇場版の再現にこだわっていると言う意見が散見され、その意見を元にもっと画質をクリアに!と求める人を叩いてる感じが。しかしねぇ、宮崎駿がそんなに劇場公開版にこだわりがあるのであれば、やっぱり一番問題なのはサイズ変更だと思うんだけどねぇ。写真でも動画でも構図ってすげー大事だと思うんだけどそういう指摘をしてる人がほとんどいないのはなぜなんだろう。すごく不思議だ。