青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

未知との遭遇

スピルバーグ監督脚本の1977年作品。宇宙人とのファーストコンタクトを描いた作品。おそらく当時いろいろと噂されていたUFO騒動ネタ(ロズウェル、グレイ、キャトルミューティレーションアブダクション)をごっそり盛り込んでいる。
普通こういうファーストコンタクト物って侵略や文化の相違、理解、見たいなのをテーマに描かれることが多い気がするけど、この映画は序盤からなんとものんびり、ほのぼのした空気感が充満している。いたるところで宇宙人は友達、的な描写が見られる。さらにほぼ始めから隠されること無くUFOがびゅんびゅん飛び回る。まるで当たり前の様に。ありがたみが無いなー。物語は誰が主役かはっきりしないような展開で、UFOに導かれ気がおかしくなった人たちの狂行が描かれている。なんとなくハートフルに描かれてるが、ありゃ狂行だ。これ外から見たらきっと、薬決めて、集団幻覚見て、神様見つけちゃって、日常生活崩壊して、軍の施設に特攻して、消されちゃった哀れな人の見た幻想とも取れる内容だと思う。その証拠にラストの宇宙に向かうあたりの展開って超ご都合主義な展開。やたら極彩色に光まくるUFOやあの音楽もやたらにトランス的な・・・。宇宙人の前に科学者も軍も侵入者もみんな仲良くって、ちょっとおかしいだろ。なんかこの映画、UFO騒ぎ、UFO信奉者を小馬鹿にしてるように思えてしょうがない。
映画自体それほど盛り上がりどころもなく、わりとだらだら、しかも2時間オーバーもある映画。画面構成は映画の王道とも思える、ビスタサイズスクリーンをフルに使った構成で安心してみることが出来る。ただデジタルリマスターしてもフィルムグレインが強くざらついた映像。別に不鮮明って訳じゃないけど。単純に色んなものに古臭さを感じてしまう。特に未来の出来事を描いてるわけでもないのでしょうがないけど。メカデザイン、クリーチャーデザインは今となってはあまりに王道すぎて新鮮味はかけらも感じない。宇宙人として出てくるリトルグレイさんも今や宇宙人の定番デザインになっている。個人的にはH.G.ウェルズのタコ宇宙人が好きなんだけどな。

全体的にマイルドすぎて刺激が少なく正直パラノーマルアクティビティ以上に意識が朦朧とした映画だった。盛り上がるはずのラストもなんか不自然すぎてどうにも感情移入できず。やっぱり廃人の幻想感が強い。正直王道的映画だとは思ったがあんまり面白くなかった。ひねくれものの自分には合わない映画だ。
ちなみに見たのはファイナルカット版。BD版では追加、削除などのシーンがわかるように表示される仕掛けがありそういうソフトのつくりはとても親切でいいな、と感じた。