ペンギンたちが生息する小さな島。
そんな島で今日も新しい命が生まれた。
生まれてしばらくは両親も健在で、二人に愛され健やかに育った。
しかしほどなくしたある日。
いつも通りに狩りに出た両親は、そまま帰ってなかった。
彼はまだ幼毛が残っている時期に一人になった。
彼は生まれつきすこし他のペンギンより違っていた。
ふわふわの綿毛が生え変わるころそれは顕著になった。
他のペンギンたちより一回りも二回りも翼が大きかったのだ。
それを見た周りのペンギンたちもその大きな翼を見て、自分たちとは違うと言った。
やがて彼をバカにした。
そして彼をからかった。
そうして彼は小さいころから周りのペンギンたちとうまく話しをできなくなった。
彼はほかのペンギンたちが怖かった。
誰も彼を受け入れてくれなかった。
彼は自然に集落から離れてゆき、集落から少し離れた場所で一人ひっそり暮らすようになった。