青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

コンセント

田口ランディ氏が有名になった代表作とのこと。「コンセント」「アンテナ」「モザイク」三部作がヒットしたようです。内容はエロオカルト。と言ってもコンセントはエロ要素はそこまででもないかも。って言うかこの話ってオカルトのコンセントとエロのコンセントをつなげる、と言うある意味精神世界ではありがちな行為を超理詰めのシステム屋思想で書き上げたミステリー小説です。8割はミステリーです。終盤で急にオカルト全開になって、ラストはエロで落とします。この落差がすごい。特にミステリーからオカルトへのぶっ飛び。今まで超論理思考で精神分析が続き疲れていた脳を一気に崩壊させるカタルシス。って言うか解放感。ここの精神的感覚はなかなかでした。背筋がぞくぞくしました。
もともと自分心理学好き、精神科医的な話も好き、オカルトも好き、かつシステム屋。とこの話の要素は一通り勉強済みなわけですよ。だから余計に読みやすい。しかしながら残念なポイントが一つ。自分の股間にはプラグがぶら下がってるって事。つまりこの小説のもう一つの重要なファクターであるエロ部分は深い感情移入は無理なわけです。完全に女性視点ですし。理解はできるが入り込めない。そういう意味では落ちは入り込むんじゃなくて、逆に突き放されて笑ってしまいました。まぁでも9割は完全に入り込む方向のお話でしたし、面白かったです。
緩やかな自殺。この小説で出てくる言葉なんですね。なるほど。自分もどっちかって言うとイタコ思考なんでよーくわかりますよ。

コンセント

コンセント

なんか最後のオカルト崩壊の部分がどうのこうの〜、ってあるが俺個人的には結構にたような経験しているからなぁ。でも別に明後日の世界とは更新できないし、たぶん見えないモノは見えない。ただなんか、全部つなっがった感覚。そういう経験はある。でたまたま自分がシステム屋だったから、この人が書いてた精神世界は割と親しみやすい。まぁ人っていうものが見たもの、聞いたものって言うのは必ず全部脳のフィルターを介しているから自分が見たと思っているもの、聞いたと思っているものが、相手が見たもの、聞いたものとは必ず一致しないのは当然だから、もしかしたら俺の目には当たり前に見えているものが他人には見えていないかもしれないけどね。写真撮っただけでその化けの皮が剥がれたりよくするし。

あと自分はこの小説が引き籠りについて書いてるとか、オカルト世界について書いてあるとか、セックスについて書いてあるとかは断じて思わなかった。あくまでオカルトコンセントと女性がコンセントと言う一発ネタを膨らませて描き切った小説だと感じる。そこが一番書きたかった事。だからこの落ちは必然。序盤からこの落ちはぷんぷんにおわせるんだけど、いろんな理屈でいろんな方向へミスリードした挙句、お花畑が咲いて「???、え?こんな話だっけ??」と思わせてのこの落ち。自分の読み切った一番初めの言葉は「結局そこかよ!」って言う突っ込みでした。