青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

ドラゴンクエストユアストーリー

なんか去年?ぐらいに公開されて感想が割と荒れてた感のある映画。ネタバレ感想は直接は見ていなかったけど、ヒント的なことを書いてる人がいて、ああたぶんメタ的展開をしちゃってるんだろうな、と少し思ってた。基本的な話はドラクエ5をベースに結婚まではかなり忠実に、その後は短めに再構築して展開。ディティールは結構違うけど、まぁ大筋では同じような展開。ただまぁ終盤にあれる展開があることを知っていたし、それを知ってたうえで見ていて少し気になるところもあったし。あとズルいがゲマとのバトルが始まった時点での残り尺が長すぎるのも、ああこっからやらかすんだなと。
で、その問題の展開が始まるわけさ。でもまぁ展開自体は「はぁ、まぁ、そうですか」って程度の話。今どき珍しくもないネタ。まあこういうアクセントを入れないと、この映画ただの「ドラゴンクエスト5TheMovie」になってしまうのは事実ですし、そうなってしまうとタイトル的に相当な微妙感です。何をいまさら??って。そのために話題性を作り、タイトルをわざわざ「5」じゃなくした苦労がうかがえます。実際多分この映画このシーケンスが無かったらこんな話題に上る事すらなく終わってたでしょうし。
まぁそれにしてもこの展開は疑問ですわ。たとえこういうことを作り手が感じていたとしても、こんなに露骨に、セリフにしちゃうのは下手すぎやしませんか?もっとじっくり展開を練っていればいいドラマになれたかもしれないのに、もう何も関係もない、単に悪意としか感じないようなシーケンスをあのタイミングでぶち込んでくるあたり。お金払ってこの映画見に来たオッサンたちはやな気分になれますよね。きっと。1時間以上かけて盛り上げてきたドラクエ5の感動展開も、自分らが胸の奥に持っていた幼いころの冒険も、すべて台無しです。そういう意味ではここしかない、って言うタイミングなんだろうけど。まぁでも陳腐ですね。ほんと、この仕掛けの為のみに作られた映画って事ですよ。そこまで見た1時間半近い内容は単なる前振りで内容なんてないんですよ。ああ、時間の無駄。わざわざこんな悪意をファンにぶつけないでよろしいでしょう。
まぁ自分的にはドラクエ5JRPG史に残る大傑作だと思うし、思い入れもたぶんDQシリーズで一番高い。やった時間も一番だろう。それだけにこんな詰まんねー自己満足の商売にされちゃっているのは悲しいですね。どうせ瞬時に記憶から消えていくだろうし。2/5。

結局この映画って「いい大人がいつまでも娯楽に興じてないで現実社会と向き合えよ」って意見と、「俺たちにとってゲームもリアルで自分たちを構成してくれている物語の一つなんだ!」って言う意見をぶつけただけの内容なんですよね。これ以外に何もない。ドラクエ5の部分はオリジナルの冒険活劇でもいいしFFでもモンハンでもなんでもいいんです。本筋ではないから。しかもこの映画のいまいちなところはその二つの意見をぶつけてみただけで何の回答もないし、展開もない。しかも映画の構成自体が監督の社会と向き合えって言う意見を強調するためにのみ用意されており、YourStoryである分はたんなるおまけにしか見えないんですよね。その辺がこの映画の浅はかさだと感じるんですよね。ゲーム映画のふりしたゲーム否定映画ですよね。ちかもこれだけゲーム文化が発展した世の中で昔から繰り返されているような、カツ中身のない、それどころが映画産業って言う娯楽、作家である自分自身を否定するようなうわべだけの主張。ほんと浅い。つまんねぇ。