青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

シャイニング

やっぱり夏はホラーだよね。
キューブリック監督作品の「シャイニング」を見ました。いやー、怖いというか背筋が寒くなる映画ですね。気持ち悪い?不愉快?そういった負の感情を正しく呼び起こされる正しい恐怖映画。内容はほぼ無い。悪霊にそそのかされて狂っていく親父の兇行が続くだけの映画。この映画キューブリック作品らしくとにかく各シーンの絵が徹底的に絵画的に作りこまれている。多くのシーンはシンメトリーの構成で原色ばりばりの配色。この配色が時間と共に変化していくのが気分を盛り上げる。背景色の補色のような色を必ず着ているキャラ達もどぎつい。このあまりにある意味不自然に作り込まれた画面がどうにも見るものの不安定にさせる。しかしながら映像は圧倒的に綺麗だ。
さらに不快感、心拍数を否が応でも盛り上げる至る所でかかり続ける不愉快なBGM。ただの会話シーン一つでどうしてこうもまぁ盛り上げてしまうんだろうね。怖いわ。
また主役ジャックニコルソンの狂気じみた怪演もすごい。この人の狂気っぷりがきわめて怖い。マジ頭おかしいんちゃうの?っておもってしまう。さらにおかんの顔も蛇女みたいで怖いし、ガキも顔芸ばっちり。ガキとじじいはアップの顔だけで不安を煽りまくる好演。
勢いよく突っ走っていくお話は話としてのおもしろさはほぼ無いけど単純にうなぎ登りに上がっていく画面の狂気度で目が離せない。ただひたすら感情や本能のみに作用する映画だ。いい恐怖映画です。さすがキューブリック


と映画としてはほめるけどお話としてはさっぱりだねぇ。キングの原作は台無しだ。シャイニングって要素が作品の中では単に恐怖の幻想カットとじじいを呼び出したってこと以外に全く効果的に使われていない。家族間のお話なども皆無に等しい。キング作品に漂う愛憎入り交じった悲壮感のような美学が一切感じられない。こりゃキングも怒るわけだ。

これもビスタサイズでの収録がされてない。絵作りに凝る監督の作品なだけに残念でしようがない。オリジナルからこのサイズなの?

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