青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

星を継ぐもの

去年小説を何冊か購入したときに面白いから、と勧められて購入した小説。
ちょうど今の仕事が始まってから読み出した。
素直に面白かった。とにかくお話の構成が面白い。お話自体は始終単純に時系列にそのとき判明した事実、発覚したあらたな謎などを決め細やかに主人公ハントの方向から描写し続けているだけ。サスペンスも無ければアドベンチャーも無い。とにかくキャラの動きが無い。えんえんと事実のみを書き連ねてある。
お話は月で見つかった人間そっくりの5万年前の死体が一体ナンなのだろうか?と言う謎解きに始終する。それだけで話が構成されている。しかしながらこれがえらくワクワクする。何よりプロローグが個人的に秀逸。このプロローグがあるから読者はある意味少しだけ事実を知っている、神の視点で常に謎解きの進み具合を見ることが出来る。さらに自分の中でも新たに与えられる情報でプロローグの情況に対し思いを馳せる。そのうち見えてくる色んな世界。ワクワク感マックスだ。こんなに引き込まれるのも珍しい。


ガニメデ以降個人的には少しテンションが落ちたが、そのまま読みきれる。「星を継ぐもの」ってナニ?って言う疑問が最後まで残る。最後の博士の語りで大筋の意味が見える。エピローグで畳み掛ける。そしてきっともう一度プロローグを読み返すことになる。


ほんとに面白い小説を読んだ、と思わせるものがある。読んでる間中ハントと同じようにあれこれ考えながら読めるところがとても良い。

星を継ぐもの (創元SF文庫)

星を継ぐもの (創元SF文庫)

個人的には中盤の情報が一通り出てきたあたりで何となくオチを想像してしまっていた。それはたぶん相変わらずこの作品が古典であり多くの模倣作をきっと生み出しいて、そういうものに触れて育ってきた自分にとってはタネ自体は想像を絶する!ってとこまではいかなかった。ちなみに想像してたオチはほぼ正解だった。
エピローグ以外はね。