青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

東京タラレバ娘

かくかくしかじかの東村アキコの恋愛コメディー。完全な恋愛ものと言う展開ではない。タラレバの妖精が見える当たり、結構ご都合主義な展開する当たり完全なギャグ路線。かくかく〜でも書かれていたと思うが、この人の持ち味は真剣でドロドロしたような作品を書くことにはないんでしょう。
印象的なのが3巻にある以下のセリフ。
1都合のいい偶然禁止。
2白馬の王子さまと言う概念禁止
3主人公が好きな男と呑んで泥酔→本音でぶつかって距離縮まるの禁止
4ここぞというときの交通事故禁止
5最終話での海外転勤禁止。
ってあるけど、このストーリー自体が1〜3までやってるメタギャグですよね。結局都合のいい男が偶然現れてきて、しかもそいつら全部超絶スペックで、みんな泥酔して寝る、ってお話ですやん。
で、股が緩いことを自虐しあっているってお話に見えます。ギャグとして都合のいい展開だらけです。寝るシーンが無ければ(と言ってもこの人はあんまりしっかり書き込まないけど)学園ラブコメでもおかしくないレベルに見えますね。ゆえに喪男目線でも切れのあるギャグマンガとして楽しいです。あと、ぶっちゃけ喪男からするとこのマンガ読んでも焦りとかイタイ感じは薄いです。タラレバ言うてて実際何もしない、自分らを持ち上げあって、傷をなめあってその実何もしない、と言うところはまぁ男でもそうかな、と感じますが、KEY君と寝たあたりから、そして一気に3人にダメなパートナーが現れる展開以降はもうタラレバ展開じゃなく股の緩さの自慢自虐になっちゃっていて、そういう世界と孤立している喪男にとってはある意味ファンタジー世界で魔法打ち合ってキャッキャウフフしているキャラたちと何も変わらないです。
ホント自分とか、たぶん最近の若い人とか、趣味に生きているような人たちからすると、こういうすぐやっちゃう的な展開はもうファンタジーと言っていいんですよ。現実世界ではよほどのイケメンかジゴロでもない限り、そんな恋愛もなくホイホイ男側から手を出せるような展開ってないと思うんだけど、そうでもないのかなぁ。大体世の中そういう行為の決定権って女性側にあって、女性側が許してくれない限り男から手を出したら今やただのレイプで犯罪ですからね。あと、不倫なんかも最近はネットとかマスコミとかですっげーみんなやってるみたいな印象操作してるけど、そうなん?とか思ってしまう。マスコミとか商業界はそういうのを推奨したいから、そういう結婚、離婚、ドロドロの恋愛劇みたいな事を積極的にやる人たちのほうが商業的には絶対優良顧客なんだよね。いろんな業界にお金を回しまくる人たち。さらにその恩恵をあずかろうとするハイエナたちの印象操作。そういうシステムに見えるんだよね。こういうのって一時期よく言ってた恋愛至上主義の延長なんだよね。恋愛至上主義でお金が回っていても結婚してしまうとみんな手堅くなってしまう。優良顧客じゃなくなる。じゃぁ、どうするかって。簡単結婚後も恋愛至上主義で踊ってもらいましょう、ってこと。若い人たちはすでに恋愛至上主義では踊ってくれなくなってるんですよ。だから若い頃恋愛至上主義で鍛えられた世代にもう一回踊ってもらおうという取り組みですわ。
不倫なんかみんなしてます。気楽にやっちゃいましょう。デートしましょう。と繰り返し語るマスコミ。
でもね、その先に待ってるのはとてつもないリスク。弁護士が動き、探偵が動き、引っ越し業界が動き…。ほんとに配偶者が嫌ならさっさと何かする前に離婚してしまえばすっと楽に低コストで終わるはずなのに、悲劇のドラマのような展開に酔いしれそういうものを求める。

なんか大きく脱線してしまった。
兎に角漫画はとても面白い。流石にこの人は漫画力がとてつもなく高い部類にいる人だ。ただやはりこの女性目線のご都合展開はギャグとして楽しむ以外にはなく、自分はこれを読んで「なにかしなきゃ!」という気持ちにはならないなぁ。って言うか自分はいつもこういうタラレバ、後悔を繰り返したもう少し先に行ってしまった感じなので。今の自分は傷だらけだが嫌いではない。あとなんか色々達観してきている。
ある意味この漫画からギャグ抜いたら、NANAとかと同じようなものが残るのかも。アラサーのNANA(w

4巻出てるな…。