秒速5センチメートル

やっと見た。買って3ヶ月。短編3本構成、と言っても一つのお話を3部構成にしてるんだが。買ったときに１話だけ見てあまりにセンチな内容に放置していた。
やっと見る気になって、車のDVDで見た。と言っても運転中なので聞いたに近い。
信号などで止まるたびに絵も見るのだが、写実的でカメラで撮ったように被写界深度があり、陰影を強く意識した背景。それでいて要所要所デフォルメされ作り手の感情ををこめた嘘。そこに浮いたようにはめ込まれるアニメキャラ。
なんとも不思議でこういう作風をするアニメ作家は記憶にない。普通のアニメはカメラの絞りは基本的にぎちぎちに絞る。こんなに絞りを意識した作品は始めてだ。
内容はまぁ、やはりと言うか想像通りというか、始終センチな内容。あくまで成人男性の内容。何時までも子供の思いを捨てられず、大人の世界になじめず、あるはずのない幻想を夢見続けながらも日常に埋没してゆく駄目な男の話。ゆえに泣けた。自分と同じじゃないか。
主題歌「One more time, One more chance」 がかかるとたまらなくやり切れなくなる。

秒速5センチメートル 通常版 [DVD]