彼は決意した。
そして行動した。
「きっとこの翼で飛べるはず。」
彼は空を見上げ、飛ぶためのトレーニングを始めた。
大きな翼をバタつかせ、どたどたと高台から落ち続けた。
なんどもなんども。
毎日毎日。
集落にいるペンギンたちは彼のその理解できない行動を見て嘲笑した。
「俺たちは飛べない鳥なんだよ」
みんなからそういわれた。
「いよいよ頭がおかしくなったか」
そんな風にも言われた。
みんなの言葉は何度も彼の心を折りかけた。
その辛さから逃げるため、彼は余計に飛ぶことに没頭した。
そのうちに周りのペンギンたちは彼の事に飽き、彼の事を意識する人すらいなくなった。
それでも彼はあきらめなかった。
空を見上げてその大きな翼を羽ばたかせ続けた。