現代ホラー映画の基礎の一つであろう名作ホラー映画。ホラー好きなら言うまでも無い作品。エドゲイン事件にインスパイアされたシナリオで、トビーフーパーの手腕が光る。40周年記念版はとにかく映像のリマスターで綺麗に鮮やかに鮮明になっていた。旧作ホラーは綺麗に見えすぎると困っちゃう!ってことがよくあるがこの映画に関しては俺は特に問題が発生している気もしなかった。もともと特撮的なシーンが少ないし。レザーフェイスの顔とか夜の槍とりっとかくっきり鮮明に見えて、より気持ち悪さが上がっていたと思う。吹き替えで見ていたんだが別にありだと思った。女性の叫び声とか本物の音声と切り替えたりしているのはわかったが、ああいう演技は声優には難しいだろうしな。いい判断だと思うよ。
久々に見た感想。なんというかカメラワークとかカット割とかすごく丁寧に、考えられているなぁと感じてしまった。荒削りだけど抜いている絵が綺麗なシーンが多い。ちゃんと考えて撮影している感がひしひしと感じられる。最近アマゾンで未翻訳のZ級ホラー、サスペンスとかを眺めることがあるんだが、そういうのからしたら力の入り方と言うか、才能と言うか、そういうものの差をきっちり感じる。同じ低予算映画でもやはり才能が集まるとちゃんとした映画になるんだな、って強く感じさせる。まぁそれだけZ級映画は酷いって話なだけなんだがな。
あとやはり展開もあまりだるさを感じさせず、さくさくと展開していく。町の核心に近づくほど上がっていく狂気度が良く描かれている。それでも中盤まではじらされるが、家にたどり着いたら急転直下。もう一気に話は破滅に向かう。ただただ殺されていく仲間たち。
初見で見たときに印象的だった後半の晩餐会〜終わりまでの話の展開だが、ちょっと印象が変わったな。爺が昔ほど気持ち悪く感じなかった。これは見えすぎのせいか?それよりおとんの狂気度が良く感じられる。そこからラストまでの展開は初見のときはずいぶん長く感じたのだが今見たらあっという間だった。あれ?こんなあっさり道にたどり着くんだ?って感じ。道にたどり着いたら畳み掛けるように終わる。最後まで狂気を見せる有名なラストシーン。美しいね。あそこでスパッと終わり、残心するところも良いね。余韻が残る。
やけにシンプルだったなぁ、って思うのはたぶん続編やらリメイクやら見ているせいで記憶がごちゃ混ぜになっているんだろうな。でもやっぱりオリジナルは今も色あせないね。ストーリー性なんて無い、ただただ狂った奴等の凶事。それに巻き込まれてなすすべの無い被害者たち。辺にストーリーが無いのがリアル感を寄りいっそう盛り上げるね。
あと今回見て思ったのは意外なほどエドゲイン事件にインスパイアされているな、って思った。美術周りは本当に良く出来ているし、あとオヤジがかなりエドゲインっぽいなぁと思った。あと車椅子のクズさ加減がこの作品の狂気度を盛り上げているなぁとも思った。
やっぱり名作とうたわれるだけのことはあるなぁ、と思ってしまいました。