二人の楽園探しの旅は始まった。
二人はいろんなところへ飛んで行った。
寒いところ、暖かいところ、別なペンギンたちが住んでいるところ。
しかし二人が落ち着いて暮らせそうな場所はなかなか見つからなかった。
楽園などそうそうないものなのかもしれない。
誰もいない環境は過酷だし、ペンギンたちが住めるような環境に行くとさらにつらい現実が待っていた。
空を飛べるほど大きな羽を手に入れた彼の体は、
ほかのペンギンたちから見ると異様なものにしか見えなかった。
ペンギンたちは彼らを拒否した。
どこに行っても二人は受け入れられなかった。
しかし二人はめげなかった。
きっと次が有るさ。
二匹はお互いを慰めあい、励ましあった。
彼らはあきらめず、二人だけのの楽園を探し飛び続けた。
地上のありとあらゆる場所を。
彼らは決してめげなかった。
なぜだろう。
彼らの心の中には旅立ったころにはなかったある想いが芽生え始めたからだ。
しかし彼はそれをはっきり意識することはできなかった。