青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

カーボカウンティング実績ガイド

医師と栄養士と患者のためのカーボカウンティング実践ガイド

医師と栄養士と患者のためのカーボカウンティング実践ガイド

カーボカウンティングの解説本です。対象は、医者、患者、栄養士と多岐にわたってる上、専門向けの記述も多い本格的な内容です。
ちなみに、カーボカウンティングは糖質制限と発想の出発点は同じだけど、落としどころは結構違っています。カーボカウンティングはあくまで自分の摂取するカーボ(炭水化物)をカウント(測量)することで、自分にとって適量で問題の少ない摂取の仕方をしていこう、と言う発想です。それに対して糖質制限は、糖質が諸悪の根源だから、それを取らなければそもそも症状が出ないよ、と言う発想です。

この本の著者の杉本正毅氏はBlogなどで患者と医者の新しいあり方を模索していて素晴らしい考えを持っていると思っています。その先生がアメリカなどでのカーボカウンティングを日本で行うために実に事細かに解説を行っている本で、とても勉強になります。患者が実地が難しい交換表のエネルギー主体の食事療法からより簡単で効果的なカーボカウンティングを行い、自己血糖値測定を行い自分自身の体のことを知っていこう、と言うことが要点だと思います。

ただね、まだこの本全部きっちり読んでいないのでわからないんですが、なぜカーボをカウントしてまで食べる必要があるのか?って事が見えてこないんですよね。食品交換の計算が難しく、実地が困難なことを上げていますが、カーボカウントをすることだって結構な知識と、料理や食品に対するそれなりに深い考察がないと困難なことだと思うんですよ。各素材のカーボ量を全部把握して、それを加工した食品のカーボ量を推測するって言うのも、食品に対する興味が低い人にとってはかなり困難なことだと思うんですよね。それならいっそ、こういう物は食べないようにしましょうね?って制限しちゃう方が簡単だと思うんですよ。極論ですけどね。
それでも糖質を食べたい人は、自分の体と相談して、自分の食べたいカーボを取得したときにどれだけ血糖値に影響が出るかを実測で知ってしまった方が手っ取り早いと思うんですよね。

さらに上で書いたように、なぜそこまでして糖質を摂取しなければならないのか?っていう問の回答がさっぱり見つからない。ぱらぱらめくった感じでは、結構やんわりと糖質制限の批判もあるんですよ、文中に。でも、その根拠が見あたらない。あるとしたら結局、食品バランス主義的思想が見え隠れする。

でも、最近思うんですが結局のところ、バランスを語るのであれば3大栄養素と言われる、糖質、タンパク質、脂質のバランスだけを考えるのでは全然意味がないんですよね。実際にはもっと複雑で多岐にわたる細かないろんな成分が存在し、それぞれの物を的確に取っていかないといくら3大栄養素のバランスを取ったところで、体に異変は生じるわけです。そもそもバランスって言う思想が間違っており、本当は自分の体にとって必要である成分を取得してやり、問題を起こしている原因になっている成分を排除してやる、っていことが正しいことだと思うんですよね。その上で、現在の自分の生活を送る上で過不足無く成分を取得すること、それこそがバランスのとれた食事となるわけなんですよね。3大栄養素の比率のみ、しかもそれを画一的な割合に固定しようとすることが、既に医者や栄養士の傲慢で、不勉強で、仕事放棄な態度に見えて仕方がありませんよ。

そういうバランス論、カロリー論、カーボ論をもっと科学的に意味のある物にしない限り、糖質制限は短絡的ではあるが、とてつもなく科学的かつ効果的なメソッドとしてどんどん広がっていくのではないかと思います。
あと、糖質制限をした人はみんな体で感じているんですよ。そのメリットを。そのメリットを打ち崩すだけの炭水化物をカウントしてまで食べなければならない明確な理由を打ち出して欲しい物です。