青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

市民ケーン

映画を趣味とか人生とか語っちゃうような人ならどこかで一度は見たこと、聞いたことがあるであろうこのタイトル。
評論家たちがこぞってこの映画を映画史ベスト1とかに上げちゃう映画。しかし作品自体は1941年の白黒映画で実際にテレビなどで放映してるのを少なくても自分にとっては記憶がない。評論家たちの一位の理由を見てもイマイチ理由が見えない。内容云々と言うよりは、どうも映画史において革命的な方法論、手法を打ち立てた作品ってことらしいんだけど、すでにこの映画が出来て70年近くたちそういった手法は当たり前になりより洗練されているはずなのに、いまだにこんな古い映画を上げちゃうあたり、なんかこの映画を評価できない人は映画のことをわかっていない!っていわれてるような気がして、権威主義的で気持ちが悪いなぁ、と思っちゃったりして今まで見る機会がなかった。
たまたま某電気屋さんのワゴンセールで糞安いDVDとして売れ残ってたのを救出したもの。所詮世間の評価はそんなもの。

内容は一代で巨万の富を築いたメディア王「ケーン」の一生を描いた作品。幼少の時期にたまたま入手した金山を銀行に管理をゆだね、多量の年金をもらい、ゆだねた銀行に25歳まで教育の一切を任された少年ケーン。25歳で預けられた遺産は全て彼のものとなり、そこで彼は地方の弱小新聞社を買い取り、その新聞社を巨大なメディアとして育て上げいろいろな会社を興し多角的に成功、大富豪となる。晩年大恐慌に襲われ社会的にはほとんど会社がなくなるが、自分専用のお城「ザナドゥ」を建設。そこで息を引き取る。息を引き取るとき、最後に「バラのつぼみ」と言う言葉を残す。彼の一生をドキュメンタリーにまとめようとしていた記者がその言葉の真相を知るべく、彼の知り合いに彼の人生を聞いて回る。そこで見えてくる「ケーン」と言う人物像とは・・・?

彼の人生は圧倒的に満ち溢れているように見えていたが、その実彼の本当にほしかったものは最後まで手に入らなかった。彼はただ愛されたかっただけだった。世の中お金じゃ買えないものもある。彼の欲しかったもの「プライスレス」。
見たいな事だよね、この映画。個人的にはちょっとケーンには感情移入してしまったけど。終盤嫁に逃げられるときにも、ほんとに彼女の存在が必要なのに、それを表現するすべが何もない。出てくる言葉は「ここにいろ!」「行くな!」「お前のほしいものは何でも与える」。ああ、切ない。彼は彼なりの愛情表現をしているはずなのにそれが全然受け入れられない。最後に暴れてる彼はとても切なかった。

2時間程度の映画で割と淡々とした内容なので退屈かと思いきや、以外に飽きずに見れた。ストーリーもわかりやすく中盤あたりで大体おちは想像できた。落ちも最近の意地悪い映画だと、謎のまま終わらせるのがはやりなのでそうなるのかと思ったが、ちゃんと種明かしもある。
なんだろうね、映像的にも昔過ぎて綺麗とかいいとか、あんまり感じることが出来ないし、手法はわからない。でも内容で2時間きっちり引っ張っていく構成力はなかなかのものかもしれない。今の映画は映像ありきだしね。純粋に胸を打つ映画ではある。
ただね、これがココ100年でベストワンとかほんとか?もっともっと胸を打つ映画だって一杯あるんじゃね?評論化筋の考えることはわからんわ。まあでもかといってケチ付ける要素もないんだけどね・・・。

市民ケーン [DVD]

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