彼は目を覚ました。
眼前には大きな青い空が広がっていた。
彼はまだ生きていた。
立ち上がろうとしたが力が無かった。
もう手を伸ばしてもたどり着くことはできない。
眼前に広がる世界。
二人で飛んだあの日がまぶたに浮かんだ。
もうすぐ僕もそこへ行くよ。
彼はそう思った。
その時だった。
彼が見ていた青い空に異変が起きた。
その異変は彼の頭をパニックにした。
大きな黒い影が彼の視界を横切った。
彼は最初それが何か良くわからなかった。
しばらくしてその事実に気が付いた。
ペンギンだ。
空を自由に飛ぶペンギンだ。
何匹かのペンギンが楽しそうに、自由に空を飛んでいたのだ。
なぜ?
世界中廻ったがそんなペンギンには一度もあったことが無い。
見たこともない。
どうして?