青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

うしじまくん

この漫画はきますね。かなり。闇金の「うしじまくん」のお話ではあるのですが、実際のところ社会的弱者や、心に満たされない感情を感じている人間達の落ちてゆく姿を熱心に描いています。
この漫画で今のところ(12巻まで読んだ)強く主張されているのは「お金は怖い」と言うことではなく、「人は誰かに必要とされないと生きていくのは難しい」と言うことだと思います。誰かは友達、恋人、配偶者、職場、親といろんなパターンはありますが、そういう渇望感のある人間は、たやすく道を踏み外し転げ落ちてゆくと言うことが書かれています。
この渇望感。現代の多くの人が感じているためこの漫画はヒットしているのだと僕は思います。自分自身もこの渇望感を確実に持っているから、読んでいて「くる」んですよ。ああ、自分も一歩踏み間違えたらこういう世界に落ちてゆく可能性があるなぁ、と思わせるから。
圧倒的絶望的展開が多いですが、中には「それでも人は生きていける」と言うメッセージもあります。読後感は非常に悪い漫画ですが、「こういうことにならないようにしっかりがんばらねば!」とか「大丈夫、きっとまだまだやっていける」という前向きな気持ちが沸いて来ます。いい作品だと思います。