MCUシリーズの新作。アベンジャーズエンドゲームの終焉とコロナの開始が重なっちゃってずいぶん間が開き久々の劇場で見るMCU。実際には間にスパイダーマン、とブラックウィドーはあったけど、ブラックウィドーは結局見てないしな。実質このMCU初のアジア人ヒーロー「シャンチー」がMCUフェイズ４の本格的始動作品となってきます。
正直映画このタイトル自体、マーベル作品でも超ドマイナーヒーローだし主役も同じアジア人感覚でいえばカッコ良くない。主人公は正直オードリー若林とかまいたちの山内が場所場所で切り替わっているかのようにしか見えない…。ヒーローがカッコよく見えない、って言うのはヒーロー映画では相当マイナスに思える。ウォンのようなサブキャラならいいんだけどね…。
全編にあふれるカンフーアクションは良くできてると思います。あとカーアクションも派手です。でもなんだろう。いい出来だとは思うんだけど、なんか全体的なシーケンスは微妙な古臭さを感じます。伝統的というか。途中からカンフーアクションは能力が追加されドラゴンボール化します。ドラゴンボールの実写化としてはかなりイイものになっていると思うんですが、でもやっぱりそれはなんかどこかで見た絵の連続なんですよね。良くできてると思うんですよ。久々に劇場でみるすごく派手なアクション映画としてわくわくするんですけど、シーンシーン始まったところが一番テンションが高く、バトルシーンが進むとだんだん冷めていく自分…。終盤30分ぐらい？は気が付いたら大怪獣映画になっててそこで悟空がかめはめ波打ってました。いや、日本人好きな映像だろう、と思うんですけどなんかやっぱり一歩引いてみてしまっている自分。面白くないとは全く思わないし隙も無いと思うんだけど、なんか一歩引いている。
あと最近家でドはまりしているゲーム「SEKIRO」の影響も自分的に良くない。SEKIROもカンフーではないけど日本を舞台にした剣劇アクションゲーム。雑魚をどんどん蹴散らし、ボスと一対一の剣劇を繰り広げ巨大な人外モンスターとバトルしてみたいな内容。そのゲームがバトルシーンとかで頭に浮かんじゃうんですよね。敵の攻撃見て、あ、ここは弾く、弾く、ジャンプして見切り…。すっごく冷静にバトルしちゃってる。でもあくまでこれは映画。操作ミスって死ぬことないから緊張感が全くないんですよね…。なんかもうすでにギリギリでの死闘ジャンキー状態なんですよね、頭が。やるかやられるかの戦いばかりを繰り広げているせいで映画のアクションが刺激が薄くなってます。それだけ今のゲームはすごいって事なんでしょうね…。
ストーリーは家族の話です。中国映画的香りがしっかりしてそれなりに面白いですが、正直普通。見るべきポイントは無いです。ただ退屈な映画でもありません。しっかり無駄なくテンポよく見せてくれます。新ヒーローの立ち上げ映画なので、その世界観の紹介、能力者としての成り立ちの紹介、MCUとの絡みの紹介っていうオリジナリティーを出すことが難しい条件がそろっているので、無難な立ち上がりになるのは誰がやってもそんなものでしょうね。
MCUシリーズとの絡みはわりとしっかり出てきていて、MCU成分を求める映画としてはしっかり成立していたと思います。あんまりメジャーキャラは絡んできませんけど、ウォンの絡みとか今紹介されている序盤でのドクターストレンジのマルチユニバース展開との強い絡みを想像させますし、テンリングスのアイテムとしての謎、敵モンスターはエターナルズとの関係を匂わせます。テンリングスの組織は後で復習して知ったんですがアイアンマンとの強いつながりがあるようですし。そういう世界観の広げ方は安定したわくわくしたものがあります。そういうMCUフェイズ4の立ち上がりとしては十分な役割を果たせていたと感じます。
手堅くまとまったMCUフェイズ4東映風カンフーアクションとしていいとおもいます。とても無難なアクション映画だと思います。とにかくキャラに対してあこがれや愛着を感じなかったのが一番マイナスかもしれません。あのキャラが他のMCUヒーローたちと共闘する絵があんまり浮かばないし、想像してもあんまりわくわくしないんですよね…。あまりに悟空感が強すぎてｗ
