青空を目指して2

どこまでも続く日々日常。ゲーム・音楽好きのおっさんの半生。日々日常とちょっとだけ思ったことの日記。

ジャンボマックス

先日のアメトークで紹介されていてちょっと興味を引く設定と内容。たまたま今日本屋に行って眺めていたら見つけたらそのこと思い出せたので買ってみた。
50になったばかりぐらいのうだつの上がらない未婚のデブのおっさんが主人公。そんな童貞もてないクンの主人公が何かの拍子に出会っバツイチた子持ち年下の美人と結婚することになり、そのお披露目会から話は始まる。そして3か月後嫁から「赤ちゃんが出来た」と報告がある。その披露会の夜の子供だと。それを聞いた主人公は愕然とする。なんせ当日の夜は酔いつぶれて記憶が一切ない。そのうえ、主人公には生涯一度も勃起したことが無いという重度のEDを抱えていた…。
という出落ち感満載の設定でほとんど勝ちの漫画ですね。しかしこの漫画さらに設定上乗せされていて、このあとで謎のED薬との衝撃的出会いをしてしまう。未認可の怪しい薬だったが、今までどんなED薬を飲んでも勃起することが無かった主人公をその薬は人生はつの超絶勃起を呼び込む。人生開眼である。さらにこの主人公は薬剤師でありこの薬を自分の手で再現しようとし始める…。
ここから所謂違法セックスドラッグのクライムストリー的要素で話はどんどん展開していくわけです。この辺からは正直話のランクは落ちるかな。なんかよく見る暴走気味刑事とヤクザと翻弄される主人公回りというてんかいになっていきその辺は個人的には、あー青年漫画によくある「社会の闇」の部分をえぐめで表現しますよ!って言うスタンスがちらほら。正直この手のって下品さを感じるんだよね。過激なシーンさえ書けば青年誌ではウケル的な。サブカル好きや意識高い系の漫画読みにはこういう表現しとけば評価してくれるでしょ?って言うのが鼻につく。まだ主人公の抵抗は始まったばかりで、それが悪側を出し抜き始めればカタルシスはあるんだろうけどね。
この話はこのセックスドラッグを巡るクライムストーリーという主軸の他に、もう一つのストーリー展開がありこっちはそもそもこの結婚にはなんか裏があるっていう物。こっちもまぁ言ってしまえばゲスイ。今のところゲスイ。ただまだ肝心な部分の情報は全く開示されていないため、落ちをハッピーエンドに持っていく材料にもできるし、さらに胸糞展開もさせることが可能。
個人的にはこの漫画の主人公の設定って、うちらぐらいのジャンプ黄金期、ファミコン全盛期、という新オタク文化の進化と一緒に育ってきた世代を直撃しているんですよね。いまさら少年のファンタジー冒険譚に感情移入しづらくなってしまったオッサンたち向けのファンタジー。そのオッサンが純真な心と高い技術力で世間の理不尽(悪)と真向勝負するって、まぁいわば勧善懲悪的、ヒーローストーリーだと思うんです。だからそういう王道を外してほしくはないかな、と自分は思ったりします。このオッサン主人公を肯定し、ヒーローにし、勧善懲悪し、最後幸せにして俺ら世代が得れなくて藻掻いている幸せをちゃんと手に入れてほっこりしてほしいです。そういう期待。
もうね自分ら若くないんですよ。じゃyんぼまっくす無しではギンギンじゃぁ無いんですよ、たぶん。もうね社会のどろどろなんて見たくないんですよ。そういう底辺がいるから自分は大丈夫、みたいなものはもういらんのですよ。大人向けのファンタジー、そんなものが読みたいです。

芽の悪い僕でも読みやすくて漫画自体はとてもレベル高いと思います。画力も高いし。主人公の表現とかも漫画的でわかりやすく、漫画力も高い。上ではいろいろ書いたけどあまりエログロに特化した描写も少ないし。10巻以内で胸のすくようなお話になって欲しいな。